アメリカの高校が、トランスジェンダーの生徒に対し「ドレスコードを守っていない」という理由で、卒業式に出席させなかった。
CNNなど複数のメディアが報じ、SNSで議論を巻き起こしている。
ハリソン・セントラル高校に通う Lさん(匿名)は、トランス女性として入学し高校生活を送ってきた。
ミシシッピ州アメリカ自由人権協会(ACLU)によると5月20日、Lさんは女子生徒のドレスコードであるドレスとヒールを身につけたという理由で、卒業式に出席できなかった。
卒業式の2週間ほど前、Lさんは校長室に呼ばれ、卒業式に何を着ていくか聞かれたという。
L.B.さんはCNNの取材にこう述べた。
「校長に白いドレスを着ていくと伝えると、『ドレスを着て参加はできない。男子生徒のドレスコードに従う必要がある』と言われた」
他の生徒は同じ質問をされなかったとLさんは言う。
CBSニュースによると、同校の卒業式のドレスコードは「女子は、白のドレスにヒールなどのドレスシューズ。男子は、白のYシャツと黒のスーツパンツに、黒のビジネスシューズ」。
規則には、LGBTQの生徒についてや、生まれたときの性別に対応した服を着用しなければならないとは記載されていない。
Lさんの家族は5月18日、娘が卒業式に自分が望む格好で参加できるよう、ミシシッピ州南部地区の連邦地方裁判所に提訴した。
ACLUが家族の代理となったが、卒業式の前日、ミシシッピ州ガルフポートの裁判官は訴えを棄却した。
Lさんが高校3年のプロム(卒業前のダンスパーティー)に、青いドレスを着て行った際、学校には何も言われなかったという。
「ありのままの自分でいられたし、受け入れられた気持ちがした。学校に理解され、サポート体制がよくできていると感じた」と、Lさんは振り返った。
ACLUの代表、ジリアン・ブランズテッター氏はCNNの取材に答えた。
「Lさんと家族は、差別的な理由で人生に1回しかない行事に参加できなかった。ありのままの自分でいるだけで、卒業式に出られない。誰もそんな目にあうべきではない」
Lさんはこの経験を踏まえ「辱められるより、正しいことのために立ち上がる」と述べた。
Twitterでは、反トランス的なコメントもあるものの、学校側の対処を非難する意見が出ている。
で、これが用意していたドレス